記事

事業者
栃木県宇都宮市

宇都宮市 清原工業団地トランジットセンター、来月までにシェルター、来年度は待合所な  ど発注

2020/10/24 栃木建設新聞

 宇都宮市は、清原工業団地トランジットセンター(仮称)整備を進めている。11月までに乗り入れ口整備やシェルター新築、センター内とシェルターの電気設備工事を公告する。来年度は待合所や駐輪場の新設、舗装工事を第1四半期に入札。待合所は建築、電気設備、空調・給排水設備で分離発注する。

 整備計画ではLRTやバス、地域内交通の乗降場は移動時間が短く公共交通間の乗り継ぎがしやすい場所に配置。シェルターは乗り継ぎの際に歩行者が雨天時でも濡れずに乗り換えできるよう動線に配慮して設置する。

 車両動線はバス・地域内交通等の公共交通と一般車を完全に分離し安全で円滑な交通を確保。運行表示板はスムーズな乗り換えや待ち時間を快適に過ごせるようLRT停留場近くに設置。待合所は待ち時間を長く過ごすことが想定される地域内交通の乗降場近くに配置する。

 端末交通別の施設規模はバスが4バース、地域内交通が1バース、自動車が約60台、タクシーが2バース、自転車が約70台。バスは工業団地内の新設バス路線に対応。

 自動車は需要予測や地元ニーズ、敷地形状を総合的に勘案。タクシーは団地内企業への出張利用、自転車は清原台団地などの周辺住民の利用を想定している。

 待合所・トイレはRC造平屋建て延べ約60平方m。仕上げ材には地場産材を活用。地域シンボルとなるよう建物を特徴的な三角形の形状とする。トイレは洋式を採用し、男性が大便器1基と小便器2基、女性が大便器2基、多目的が大便器1基を整備する。

 全ての外壁面がトランジットセンター利用者やLRT利用者から見えることから3面全ての外壁面に大谷石を使い、地域の風土を生かす景観形成を図る。

 乗降場シェルター(バス、タクシー乗り場、一般車)と駐輪場はLRT車両を引き立てる無彩色を採用。

 柱や梁の色は停留場上屋に合わせたダークグレー、屋根面はライトグレーを配色。停留所との連続性を考慮し、水平・垂直を基調としたシンプルなデザインとする。

 駐車場と歩車道の仕上げはコンクリート色と明度差が高いアスファルト舗装とし明示性を確保。歩車道境界ブロックを使い高さで区別する。

 駐車場をオープンスペースとして利活用しやすいよう整形配置。駐車場は開業時は暫定整備とし、開業後は利用状況を見極めながら完成形に向けて段階的に整備する。

 外構には各機能の境となる部分に低木などの緑を取り入れ、周辺の景観と調和を図り空間の機能分離にも緑を活用する。

 清原工業団地トランジットセンターは22年3月供用開始。LRTを軸とした円滑な交通ネットワークの形成で鉄道やバス、地域内交通、自動車、自転車など多様な交通手段が結節し、多くの人が行き交う乗り継ぎの拠点施設。ネットワーク型コンパクトシティの実現に向けて重要な役割を果たす。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら