県塩谷南那須農業振興事務所は、1級河川那珂川に設置された境堰(那須烏山市宮原)の改修工事に着手する。11月にも右岸側の条件付き一般競争入札を公告。工期は約5カ月。来年度は左岸側を施工し、事業を完了する予定。
境堰は烏山大橋上流の堰。コンクリートの木工沈床が流出・沈下しており取水機能を回復する。河川幅は190m。最大取水量は毎秒0・8立方m。那珂川左岸の上境と下境地区の60・7haの農地に用水を供給している。
中央部以外は関東・東北豪雨で右岸側、左岸側とも大部分が流出。堰の機能を喪失し、ポンプで水を汲み上げて取水している。また、右岸側では低水部護岸の浸食が進行。堤体破壊による洪水や護床ブロックの機能低下に伴う河道の異常洗掘や堤防本体への影響が懸念される。
全体計画は、流失・沈下した両岸での改良沈床工、堰下流部全体の根固めブロック工、右岸の低水護岸工(張りブロック工)を実施。両岸には魚道工を設置する。大型土嚢と堤体(作業用道路兼用)によって河川の右岸側を締め切って施工。21年度は左岸側を施工する予定。総事業費は約1憶3000万円。
事業は農業用河川工作物応急対策で19年度に着手。実施設計は第一測工(宇都宮市)が担当。19年度は東日本台風の影響で工事が行われなかった。