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栃木市、都賀支所複合化、年明けに文化会館と保健センター解体公告、複合施設は22年夏着工

2020/11/12 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、都賀総合支所複合施設(都賀町原宿)の整備計画を修正した。都賀文化会館と都賀保健センター解体工事2件を第4四半期に条件付き一般競争入札で公告する。解体工事の予算額は文化会館が1億716万2000円、保健センターが2897万4000円。工期12カ月となり、繰り越し工事となる。2022年夏に複合施設新築工事に着手し、24年3月の完成を目指す。新施設開庁後の24年夏に都賀公民館と都賀総合支所の解体撤去に着工し、年内に解体を完了させる。総工費約20億7000万円を見込んでいる。

 新施設の基本・実施設計は19~20年度で本澤建築設計事務所(宇都宮市)が手掛けている。都賀文化会館と都賀保健センターの解体設計は今春、青木建築設計事務所(栃木市)が落札した。建設地は敷地面積9009平方mの市街化調整区域。

 総合支所、公民館、図書館を集約するほか、別棟の付属建物(車庫・倉庫)を建設する。設計の基本方針は①市民サービスを効果的で効率的に提供②人や環境に優しい③市民の安全安心を支える④地域拠点⑤経済性とのバランスに考慮-した施設。

 複合施設は2階建て延べ2426・64平方m(1階1286平方m、2階1140・64平方m)。付属建物は平屋建て延べ129平方m。水害に備え、地盤は60㌢嵩上げする。出入り口は視認性の高い中央部に配置し、周囲は緩やかな勾配を付ける。

 地域防災計画で定めた災害対策活動拠点や指定避難場所の機能が継続できるよう耐震安全性は国基準の構造体Ⅱ類、非構造部材A類、設備甲類。ライフライン確保のため、自家用発電機、太陽光発電設備、受水槽を導入。3施設は管理用シャッターで区分する。

 2階建て庁舎棟は北側道路境界から建物を離し、日陰や道路への圧迫感を軽減。南面の自然採光、北面の自然通風を効率良く取り込めるよう南向きに配置。庁舎棟正面には集団検診車駐車スペースを設け、場内は検診車の旋回可能な幅員6~7mとする。

 1階東側の総合支所は508・93平方m、エントランスホールを挟んだ西側の図書館は376平方m、2階の公民館は824・34平方m、共用部は713・37平方m。外装は維持管理費を抑制できる素材とし、内装は諸室用途ごとに最適な材料を選定する。

 1階ロビーは高天井の居心地の良い滞在型空間を演出。図書館はロビーと連続性を持たせ、入りやすく開放的。学習スペース、児童スペースを設置。支所執務室は見通しの良いオープンフロア形式。中央部廊下にトイレを配し、図書館、支所の両方から行き来できる。

 2階は多目的室(284平方m)、大中小会議室、調理室兼会議室(62平方m)、リハーサル室(49平方m)、楽屋(20平方m)、倉庫を配す。多目的室は避難所利用を想定し、移動式間仕切りを備える。トイレには災害時対応のシャワー付き洗面化粧台を設置する。

 駐車場は北側に46台、庁舎正面におもいやり駐車スペース4台、南側に163台、東側のバス停前に駐輪場20台を配置。自転車・歩行者と自転車動線は分離し、安全性に配慮。敷地外周部は緩衝緑地帯を設け、南面の一部は目隠しフェンスで覆う。

 敷地東側は市道1015号線(産文通り、幅員16m)が南北方向、北側は市道43075号線(幅員4m)が東西方向に走り、南側は市道43081号線に接する。メインアプローチは産文通り、北側市道はサブアプローチ、南側市道は駐車場への出入り口。

 事業費は建設費と用地取得費が大部分を占め、市有地利用ならば費用の大幅な圧縮が実現する。一帯には統廃合方針が示された複数の市有地があり、広大な駐車場の確保が容易。都賀地域の中心部に位置し、アクセス性が高い。財源は合併推進債を活用する。

 市は16年度に策定した公共施設適正配置計画で各地域の総合支所複合化を「地域施設再編モデル」に位置付けた。18年度には「市総合支所複合化基本方針」を策定。建築年度が最も古く耐震性が不十分な都賀総合支所(都賀町家中)の複合化を最優先する。

 現都賀総合支所は築60年以上が経過。庁舎はRC造3階建て延べ2050・69平方m。1967年と75年に2階の一部、71年に3階部分を増築。倒壊の危険性が高い一部を立ち入り制限中。敷地は2550・64平方m。他の4支所と比べて最も狭い。

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