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栃木県大田原土木事務所

大田原土木 黒磯那須バイパス、改良工、水路工2月にも公告、新橋、21年度下部工着工目指す

2021/01/27 日本工業経済新聞(栃木版)

 県大田原土木事務所は、主要地方道西那須野那須線黒磯那須バイパス(那須塩原市上黒磯、那須町筒地)の道路改良と水路工事を発注する。2件は那須塩原市側の切土区間で、延長約100mの道路改良工、付け替え水路の一部を実施する。2月にも総合評価一般競争入札を公告する方針。バイパスは総延長約2070m。那珂川を横断する橋長約250m、5径間の新橋梁は新年度に下部工の一部着工を目指し、今年度内に詳細設計を固める。橋脚は一部ニューマチックケーソン工法が想定され、杭基礎と直接基礎で構成する予定。

 黒磯那須バイパスは市道本郷通りと交差する起点から約420mが基層まで完了しており、隣接区間の道路改良工事を発注する。片側歩道で計画幅員は12m(車道3・25m×2、自転車専用通行帯1・5m×2、歩道2・5m)。

 法面は西側が補強土植生法枠工、東側は凍結対策を考慮して日照を確保できる緩い勾配とし、植生マットとする予定。掘削工約1万4000立方m、法枠工約700平方mなどの施工を見込んでいる。

 水路工事は、市が管理している雨水対策用の道路排水施設(大規模流末)を対象に実施。道路の計画法線に対して直角に交差し、道路下を通る位置に付け替える。

 付け替え水路は全体延長約80m。上流から管渠(約20m、φ1・5m)や幅約2mのU型水路(約10m)、ボックス(約3m)、減勢工(約18m)、プレキャストボックス(約24m)などで構成。

 管渠やU型水路などが既存施設の北側になる形。U型水路で10mほどの落差をつけ減勢工内に突起部を設ける計画。

 発注するのは管渠部。既存施設とU型水路をつなぐため2カ所に角度を設ける。施工にあたっては南側に仮設水路を設置。工事では約2万立方mの掘削量を見込んでいる。

 バイパスは那珂川の両岸で市側を切土、町側を盛土とし、橋梁の長さや高さを抑える計画。橋脚の高さは約15m、幅員は12m。下部工は逆T式橋台2基(杭基礎)、橋脚4基。鋼5径間連続細幅箱桁橋を想定し詳細設計を詰めている。道路・橋梁詳細設計は富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当。

 黒磯那須バイパスは黒磯地区中心部と東北自動車道那須インターチェンジ付近の主要地方道那須高原線を結ぶ路線。周辺では下流の晩翠橋に交通が集中し渋滞が発生している。完成すれば交通の円滑化や道路ネットワークの強化が図られ、那須高原エリアの観光周遊性が向上する。

 事業着手は2016年度。那須塩原側から道路工事を進めており、今年度は那須町で那珂川上流側の築堤工事を実施している。事前評価段階の事業予定期間は25年度まで。総事業費は約28億円(測量設計費約1億円、用地補償費約3億円、工事費約24億円)。

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