宇都宮市の２０２１年度一般会計当初予算案が過去最大の２２８５億円規模になることが１日、分かった。前年度に比べ１５５億円程度、約７・３％の増額。投資的経費は約１０％増の３９２億円。ＬＲＴ整備や新型コロナウイルス感染症の対応に加え、総合的な治水・雨水対策を含む安全安心のまちづくりなどに積極的に予算を計上。宝木市営住宅の耐震補強工事費や校舎・体育館の長寿命化改修事業費、大谷観光周遊拠点施設整備費、北西部地域体育施設整備基本設計費などを盛り込む。

　ＬＲＴ整備推進費は前年度比６８億円増の約１９５億円。ＪＲ宇都宮駅東側の工事や駅西側の事業化を推進していく。公共交通の充実・利用促進は約９億１０００万円。交通ＩＣカード導入に向けた機器の開発や公共交通の感染防止対策支援、ＪＲ宇都宮駅西側のバス路線再編調査を実施する。

　都市拠点の形成は約６億５０００万円。ＪＲ宇都宮駅東口地区は交流広場整備を実施。駅西口周辺地区では駅前広場の概略設計や市街地再開発事業への補助などを推進。都心部交通まちづくりプランの策定、都心部地区市街地総合再生計画の改定に取り組む。

　地域拠点の形成は市街化調整区域の地域拠点における生活利便施設立地への助成、平出町トランジットセンターゾーンの事業用地測量、ＬＲＴ沿線のまちづくり方策検討などに約２億６０００万円。

　個性ある景観は約１０００万円でＬＲＴ沿線の景観形成重点地区指定に向けた合意形成のほか、大谷石建築物の保全・活用を推進。空き家対策は約３３００万円。空き家再生支援事業の補助対象者を拡充する。

　学校施設の整備は約１７億２０００万円。長寿命化改修は篠井小、明保小の体育館で工事、平石中央小と陽北中の体育館、星が丘中の校舎で実施設計を予定。体育館空調機器は全小学校への２２年度導入に向け準備を進める。

　体育施設の整備は約７億６０００万円。北西部地域体育施設基本設計のほか、雀宮体育館空調設置等改修の実施設計などを行う。

　安心で快適な住まいづくりは約１１億７０００万円。木造住宅の耐震診断補助を拡充。宝木市営住宅の再生に約９億円を充て住棟耐震補強工事などの実施を予定。

　道路ネットワークの充実は約２２億４０００万円。大谷スマートインターチェンジ（仮称）など各都市計画道路の整備を推進。小幡・清住地区から東側の塙田平出線は測量や予備設計に予算を配分する見通し。自転車走行空間の整備は約２億３０００万円。

　大谷地域の振興は約１億５０００万円。大谷観光周遊拠点施設整備は２カ年で市営大谷駐車場への移築が見込まれる旧大谷公会堂の移築工事などを予定。観光交通社会実験や回遊性向上を図る交通インフラの整備も実施する。

　観光交流の促進は森林公園再整備基本計画策定や会議などの誘致推進などに約８５００万円。プロスポーツチームの活動拠点整備支援などに約１億６０００万円。

　総合的な治水・雨水対策は約２３億２０００万円。河川や道路排水施設、公共下水道雨水幹線、公共施設への雨水貯留施設の整備に加え、内水ハザードマップの作成配布、田んぼダムの普及を推進。特定農業用ため池の豪雨・地震への耐性評価は１３カ所のうち８カ所で調査を計画する。

　消防局庁舎の地下非常発電機を移設する浸水対策改修工事、被災者台帳管理システム導入などに約２億５０００万円。住宅・建築物の安全安心の確保は約３３００万円でブロック塀などの撤去費補助金を拡充。防犯灯設置補助金の見直しなどを行う防犯対策の充実は約１億７０００万円。

　道路・河川施設アセットマネジメントは約１０億１０００万円。舗装修繕計画などに基づく予防保全事業や河川構造物長寿命化計画の策定を推進。森林経営管理制度を活用し、電線類などの重要インフラ施設周辺の森林整備も進める。

　動物愛護管理センター（竹林町）の改修増築などに約８５００万円。峰コミュニティセンターのエレベーター整備に約６４００万円。子どもの家は城東小、戸祭小、晃宝小の３カ所を整備する。

　土地区画整理事業は鶴田第２、宇大東南部第１・第２、岡本駅西、小幡・清住、簗瀬地区に約４６億９０００万円。

　中心市街地活性化は５１００万円。道路空間を活用したエリアマネジメント社会実験や河川等の公共空間を活用した「ＫＡＭＡＧＡＷＡ　ＹＡＲＤ」に取り組む。

　教育・保育施設等の供給体制確保は約１０億８０００万円。４４５人の定員増加を図る５施設への整備助成を予定。介護サービス施設の整備促進は約９７００万円、グループホームなどの障害者福祉サービス施設整備促進は約４１００万円。

　低炭素化の促進では地域新電力会社の設立や家庭向け低炭素化普及促進補助金などの見直しに約１億３０００万円。庁内情報ネットワーク最適化に向けた詳細設計費などを計上する

　予算案は１５日に発表される。