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下野市予算案、南河内庭球場を拡張、普通建設費58億の積極型

2021/02/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 下野市の広瀬寿雄市長は10日、2021年度当初予算案を発表した。一般会計の規模は前年度比16億円増の286億1000万円(5・9%増)となり、過去最大を更新する積極型。普通建設事業費は24・8%増の58億3865万8000円で、構成比の20・4%を占める。しもつけ産業団地整備、自治医大周辺整備、スマートIC整備、南河内テニスコート拡張整備、市初の義務教育学校となる南河内小中学校建設工事が全体を押し上げた。(3面に予算額)

 広瀬市長は「コロナ禍で市税収入が落ち込む中、大型事業を先送りする選択肢もあった。合併後15年を経て、市の形態を整えるハード事業が必要。21年度からスタートする第2次市総合計画後期基本計画を推進する新たなステージ創生予算」と胸を張った。

 企業会計の下水道事業は34億8177万8000円(3・1%増)、水道事業は18億2253万円(11・9%増)。特別会計の仁良川地区土地区画整理事業は4億7195万9000円(3・9%増)、石橋駅周辺土地区画整理事業は894万1000円(7・3%減)。

 しもつけ産業団地整備推進は2億3286万3000円。市は用地買収、文化財発掘調査、排水施設整備を担当。事業主体は県土地開発公社に決まり、西坪山工業団地東地区(下坪山、花田、絹板)の33・3haを開発する。このうち6区画24・3haを分譲する。

 緑地3・84ha(保存緑地2・7ha、緩衝緑地帯1・14ha)、街路2・41ha(幅員12~9m)、調整池2・34ha(1カ所)、公園0・41ha(2カ所)。22年度に着工し、24年度の完成予定。23年度に予約分譲を開始する。総事業費68億4000万円を見込む。

 自治医大駅周辺整備は2億7830万円。JR自治医大駅前広場から自治医科大学付属病院までの43・5haが対象。安全安心に利用できる交通環境を創出する。国の「都市構造再編集中支援事業」を導入し、23年度の完成を目指す。総事業費は5億4500万円。

 北関東自動車道スマートIC整備は2億3610万円。用地買収費とNEXCO東日本への負担金。北関東自動車道と交差する市道1-2号線に東西線への乗り入れ口を整備。1-2号線分岐点から北料金所へ向かう東行き線、南料金所に向かう西行き線を接続する。

 南河内テニスコート拡張整備(仁良川)は2億167万6000円。現コート東側の農地5000平方m以上を取得し、人工芝コート4面と駐車場を増設。南側駐車場の一角に公衆トイレを新設する。現行の人工芝コート2面に加え、コート6面を確保する。

 22年4月に開校の南河内小中学校(薬師寺)は多くの部活動で校庭を使用。異なる競技の使用で校庭が錯そうするため、テニスコート整備4面を見送った。学校開校時に他の部活動との格差が生じないよう新設校に徒歩圏の南河内テニスコートを拡張する。

 石橋複合施設整備(石橋)は設計・施工に5億1435万7000円。石橋総合病院跡地に公民館と児童館の複合施設を建設。余剰地は民間資金で別棟の生活利便施設を整備。複合施設、駐車場、民間施設は各3000平方m。余剰地活用は定期借地権を設定する。

 代表企業は設計・施工を手掛ける大和リース宇都宮支店、構成企業は渡辺有規建築企画事務所(工事監理)とカワチ薬品(余剰地活用事業)の計3社。複合施設は延べ2200平方m以上。施工は22年10月まで。外構は駐車場120台、駐輪場40台を確保する。

 認定こども園整備は2億4834万7000円。薬師寺保育園や薬師寺幼稚園舎の増改築、創設を支援する。市道維持管理は2億3707万円。市道と駅前広場の維持管理に充てる。南河内小中学校区学童保育室整備は1億6765万6000円。

 道の駅しもつけ修繕・拡張(薬師寺)は1億107万1000円。新4号国道沿線に立地する利便性から、慢性的に来訪者の駐車場が不足。施設は開設以来10年が経過。駐車場の拡張と老朽化施設を改修し、魅力発信拠点に一層の磨きを掛ける。

 新規はコンパクトシティ形成にかかる可能性調査が1315万6000円。立地適正化計画に基づき鉄道駅を中心とする都市機能の充実や居住の誘導を図り、一定エリアで人口密度を維持する手法を検討。小金井駅や石橋駅前周辺の再整備の可能性を調査する。

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