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栃木県日光土木事務所

日光土木、121号文挾BP第1工区3.5㎞、宇都宮今市線と立体交差、施工計画検討業務を委託

2021/07/09 日本工業経済新聞(栃木版)

 県日光土木事務所は、国道121号文挾バイパス第1工区(日光市板橋~小代、延長約3・5㎞)の道路詳細設計を固めた。全区間にわたり切土や盛土が多く、主要地方道宇都宮今市線とはバイパスが上部を横断する立体交差構造。今年度は構造物の詳細を検討するため、宇都宮今市線との接続道路詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)、接続道路付近の第3調整池詳細設計をダイミック(同)に委託。立体交差の予備設計も併せて進める。また、9月頃までに軟弱地盤への対応や工事用道路を考慮した施工計画検討業務を発注。普通河川(飛土沢)の切り回し詳細設計も委託する。

 文挾バイパス(板橋~小倉)は現道の西側を通るルート。全体延長は2013年3月に開通した板橋バイパスの板橋交差点北側の現道から分岐し、鹿沼市境までの約7・4㎞。

 板橋交差点から宇都宮今市線までの北側約3・5㎞を第1工区、南側約3・9㎞を第2工区とし、第1工区を交付金事業化。事業予定期間は29年度、総事業費は約25億円。

 ルートは谷地を通るため高低差があり、昨年度は道路詳細設計に加えて軟弱地盤の解析業務を委託した。高盛土区間などで地盤改良の可能性があることや、現道が杉並木で大型車に対応できる工事用道路の確保が難しい課題があるため効率的な施工手順を検討していく。

 宇都宮今市線との交差部は、バイパスが北側の切土区間から宇都宮今市線と飛土沢の上部を横断する。接続は飛土沢の南側に道路を築造。バイパスの東側で接続させる計画。

 宇都宮今市線と飛土沢は距離が近く、横断構造をそれぞれ函渠形式または1本の橋梁形式とするかを予備設計で検討。予備設計は接続道路の詳細設計に含めて業務を委託した。立体構造物については今年度内の詳細設計発注を視野に形式を固めていく。

 調整池はルート中央部と落合中学校付近、最南部の3カ所に計画。中央部と落合中付近の1カ所は詳細設計が完了。第3調整池は宇都宮今市線と行川の間が候補地。バイパス周辺に設置を検討しており容量や形状を固めていく。

 飛土沢はバイパスと並行して流れる小河川で、盛土部での交差延長を短くする切り回し工事の詳細設計を実施。水の流れを阻害しないよう道路に対し60度程度の角度で交差するよう設計する。

 市道とは平面交差が基本。飛土沢や水路などの横断部はボックスを設置する。主要交差点は板橋交差点付近の市道1016号線、落合中学校付近の市道1018号線など。

 このほか幅員が狭い市道との交差が数箇所あり、盛土区間などでは側道を利用した交差点の統合を検討する。

 バイパスは2車線。標準幅員は家屋が多い北側の約0・7㎞は両側歩道の14・5m、南側の約2・8㎞は片側歩道の12m。幅員構成は車道3・25m×2、自転車専用通行帯1・5m×2、歩道幅員は2・5m。片側歩道は落合中学校がある西側に設置する。交差点部は3mの右折レーンを加える。

 文挾バイパス(日光例幣使街道)は国際観光都市日光と鹿沼市間の定時性、速達性を確保し、緊急輸送道路としての信頼性向上、地域間の連携交流や広域周遊観光を支援する「栃木西部都市連絡幹線」の一部を構成する広域幹線道路。

 近年はダウンバーストの発生や大雪など気候が安定せず、杉並木の高齢化も相まって倒木や枝折れによる通行止め、車両の破損が増加。バイパスの整備によって杉並木を保護するとともに、自然災害に強い道路網を形成。救急医療施設への速達性が向上するなど多くの効果が期待される。

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