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栃木県小山市

小山市 大行寺雨水幹線、推進工法で10月公告、泥濃式採用、総工費10.1億に

2021/07/14 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は、公共下水道事業大行寺排水区雨水幹線築造工事(大行寺)に着手する。立て坑3カ所を設置し、管径1200~2200㎜のヒューム管を延長690・8m推進工法で施工。幹線築造後は3カ所の立て坑上にマンホールを設置する。市議会9月定例会に継続費変更予算案を上程する。10月に入札公告し、2022年1月に落札業者を決定。工期22カ月を見込み、総工費10億1500万円を投じていく。

 15年の関東・東北豪雨では川西地区の1級河川豊穂川流域一帯が甚大な水害に見舞われた。17年5月に大行寺排水区事業計画を策定。一帯の排水強化対策は雨水管渠、雨水ポンプ場、調整池整備の3つ。21年度から第1弾工事に入り、25年度の完成を目指す。

 当初予算で大行寺排水区雨水幹線工事の継続費6億1500万円(21~23年度)を設定。20年度にパシフィックコンサルタンツ(東京都)が担当した雨水幹線実施設計の結果、土質条件の想定以上の悪化が判明。工事費4億円の増額が再積算で確定した。

 土質は玉石混じりのため、泥濃式推進工法を採用。施工能力は4割低下することから、当初の工期18カ月を4カ月延長する。泥濃式掘進機内に高濃度泥水を圧送し、切羽の安定を図りつつカッターで掘進。掘削土砂は高濃度泥水と攪拌混合し間欠的に排土する。

 工事は豊穂川に沿って上流側の2号立て坑~1号立て坑推進は管径1200㎜、延長519・1mを築造。下流側の2号立て坑~3号立て坑推進が管径2200㎜、延長165・8mを築造する。21~22年度は上流側、22~23年度は下流側を施工する。

 事業範囲は約70ha。雨水ポンプ場は樋管や放流ゲートを備え、排水能力は毎秒1・5立方m(毎秒0・75m排水能力のポンプ2台配備)。市街化区域の雨水を豊穂川に排水し、配水量が多い場合は容量3万立方mの調整池で一時的に貯留する。

 雨水ポンプ場は21年度に実施設計を委託し、施工は23~25年度の3カ年。調整池は22年度に実施設計を委託し、施工は24~25年の2カ年を計画した。調整池は最下流部の県道渡良瀬遊水地壬生自転車道線と豊穂川との合流点付近に築造する。

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