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とちぎの道路・交通ビジョン、八溝縦貫、北関東北部横断道路を構想

2021/07/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は、とちぎの道路・交通ビジョン2021~県広域道路交通計画~を策定した。新たに八溝縦貫道路や北関東北部横断道路(仮称)を広域道路ネットワークの構想路線に位置付けた。重要物流道路の追加指定を見据えたほか、高速道路にアクセスする道路の強化やスマートICの整備促進、自然災害に強い交通網の確保、道の駅の防災拠点化を盛り込んだ。

 計画期間は21年度を初年度に20~30年先の21世紀中頃までの県の姿を展望。「誰もが、いつでも・どこでも、安全・安心・快適に移動できる持続可能な社会」の実現を目指し、暮らし、産業・観光、国土強靭化を支える道路施策の方向性をまとめた。

 都市間を連絡する主要道路を整備してきた結果、県庁から60分以内で到達できる範囲の人口カバー率90%以上を達成。しかし県内には本州最大の高規格幹線道路網の空白地帯があり、高速道路を補完する広域道路網の充実強化が課題となっている。

 県域を越えた広域的交流・連携に必要な路線のうち高規格幹線道路や地域高規格道路の広域道路網空白地域は、交通ネットワーク上のミッシングリンクを解消。県内外との交流促進や連携強化を図るため、高規格道路の整備を推進していく。

 広域道路構想路線となる県東部の八溝縦貫道路は主要地方道宇都宮笠間線(茂木町小貫)の仏の山峠付近から一部国道294号を重用する区間を想定。北関東北部横断道路は国道461号への接続を検討する。今後はルートや構造を検証し、事業化準備に入る。

 県内の地域高規格道路は①茨城西部・宇都宮広域連絡道路②常総・宇都宮東部連絡道路③日光宇都宮道路④栃木西部・会津南道路-の4路線が指定されている。産業競争力強化と地域経済活性化に資するバイパスや現道拡幅、交差点の立体化を計画する。

 国は地方ブロック単位の広域道路交通計画を策定し、重要物流道路を指定。平時や有事を問わず安定的な輸送確保に向け、国による機能の強化や重点支援が受けられる。国道4号、国道50号、国道400号といった重要物流道路は防災対策を講じる。

 災害に強い国土の構築には施設の耐震化や老朽化対策で道路機能を維持・強化。多重性や代替性の確保により、円滑で安定的な移動を可能にする道路ネットワークを形成。骨格となる高規格幹線道路を補完する格子状のルート構築し、県全体に効果を波及させる。

 高速道路にアクセスする道路の強化とともに、スマートICの整備を進める。事業中は大谷スマートIC(宇都宮市)、都賀西方スマートIC(栃木市)、出流原スマートIC(佐野市)、下野スマートIC、検討中は足利スマートIC、壬生地区。

 道の駅は観光地へのゲートウェイ機能や地域活性化の役割を担い、災害時には捜索・救助活動や緊急物資基地機能、復旧復興活動の地域の広域的な防災拠点となる。災害の際に機能を発揮できるよう市町や関係機関と連携しつつ防災機能を充実強化する。

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