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千葉県千葉農業事務所

ため池桑山が計画決定/県千葉農業事務所/堤体補強や取水改修/事業費は5か年約1億円

2021/08/10 日刊建設タイムズ

 県営ため池等整備事業の桑山地区(市原市勝間)が計画決定され、2021年度に事業着手となる。事業期間は25年度までの5か年。総事業費9740万円(うち工事費7520万円)を投入し、洪水吐改修、堤体補強、取水施設改修などを実施する。受益面積は13・5ha。事業主体は県千葉農業事務所。

 ため池(桑山堰)は、堤高4・8m、堤長58m、堤体堰2900立方メートル、貯水量5200立方メートル、堤頂幅2m。型式は傾斜遮水ゾーン型。

 同ため池では、堤体右岸下流水路からの漏水が見られる。下流法尻全体に浸み出すような漏水も確認されることから、堤体、洪水吐、取水施設の改修工事を実施する。

 堤体は、上流にブロックマットを設置し、法面を保護。下流は押え盛土およびドレーンの挿入により漏水を防止。取水施設は斜樋階段式ゲート式とし、緊急放流工を設置し、底樋ゲートを新設。導水は底樋により実施する。洪水吐については三面越流堰式とする。

 主要な工事と事業費は、堤体築堤工1127立方メートル・1340万円、堤体護岸工447㎡・880万円、ドレーン工30m・300万円、洪水吐取水工39・7m・4610万円、仮設道路工340m・390万円。

 年度別の事業内容と事業費は▽21年度=測量試験費1540万円、用地買収補償費220万円▽22年度=仮設道路工(340m)390万円▽23年度=洪水吐取水工(39・7m)4610万円▽24年度=堤体築堤工(1127立方メートル)1340万円▽25年度=堤体護岸工(447㎡)880万円、ドレーン工(30m)300万円。

 市原市勝間字東桑山に位置する同地区では、積極的に営農に取り組み、ほ場整備が実施され、生産基盤が整っている。ため池は築造から100年を経過し老朽化。近年は、下流右岸水路からの漏水などが見られ、水位を下げて用水管理を行っており、農業水利施設の老朽化の進行や機能低下が発生している。このため、安全性と用水の確保を目的に事業を実施し、早期に改修を行うことで、農業経営の安定を図ることとした。

桑山地区計画概要図

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