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栃木県芳賀農業振興事務所

芳賀農振、圃整工22haを4分割発注、水路工分離、中旬にも公告

2021/08/07 日本工業経済新聞(栃木版)

 県芳賀農業振興事務所は、県営農地整備事業の芳賀町北部第2地区(祖母井、上延生、芳志戸)の圃整工事に着手する。着工するのは区域の中央部で、約22haの圃整工を4分割した工事と延長2428mの水路工事1件を分離発注する。5件とも総合評価条件付き一般競争入札。8月中旬をめどに公告し、9月中旬に開札する方針。標準区画は1ha。排水路の一部を管内で初めて暗渠化する。今年度事業費は5億円。2022年度に予定する圃整工の実施設計を9月頃に委託する。

 事業の全体面積は204・9ha。事業予定期間は19~24年度。総事業費は約29億7000万円。

 区域は五行川両岸と市の堀用水の右岸の農地。町役場からは北側や東西に位置し、東側と西側の一部は主要地方道宇都宮茂木線バイパスの南側も含まれる。

 今年度の圃整工は「道の駅はが」の北側、五行川左岸のエリア。面積は第1工区5・6ha、第2工区4・2ha、第3工区6ha、第4工区6haを予定。区画の拡大や道路工と併せて排水路の一部を暗渠化する工事を施工。φ40~70㌢のポリエチレン管を布設する。

 水路工事は4件の圃整工から分離する形で発注。延長は用水路工1150m、排水路工1278m。排水路の幅は五行川左岸沿いなどで40~60㌢、60~70㌢、用水路は幅50㌢。いずれもU型の開水路を布設する計画。

 今後、圃整工の施工に必要な変更実施設計を委託。また、22年度に予定する圃整工の実施設計については1~2件に分けた委託を検討していく。

 計画当初の全体事業量は整地工204・9ha、道路工20・3㎞、用水路工28㎞、揚水機4基、取水堰1カ所、排水路工23・2㎞、暗渠排水工14・2ha、客土工15・8ha。

 農作業の効率性を高めるため、区域内の約5割に1ha(耕区80×125m、圃区400×125m)の大区画圃場を導入。平らな均平田区を設け、将来、畦畔除去により2~3haの大区画化に対応できる圃場とする。

 用水路、排水路は大部分を開水路で整備。規格は用水路が幅30~120㌢×深さ30~120㌢、排水路が幅40~150㌢×深さ40~120㌢。スマート農業を推進する取り組みとして水位や水温を測定するセンサーが付いた自動給水栓を設置。

 また、一部の排水路を暗渠化し、法面の草刈り作業をなくすとともに、排水路の上を人や機械が移動しやすい環境を創出する。

 一帯の農地は昭和40年代前半に大部分の区域で基盤整備が行われ、20㌃が標準の小区画。多くは用排水兼用の土水路。維持管理や安定した水量確保に苦慮するとともに、地下水位が高く転作に支障を来している。

 用水は五行川と国営幹線水路の市の堀用水の各堰から取水。五行川と市の堀用水などに排水している。

 面積が200haを超える大規模事業。非農用地として創出する面積は9・6ha。芳賀町が役場周辺の7・7haの公共施設用地(観光交流施設等)を確保するほか、五行川沿いの桜堤や0102号線などの町道6路線を整備。県による真岡那須烏山線(区域内約350m)の整備にも充てられる計画となっている。

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