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自民党 県9月補正要望、公共事業費50億円、堰堤防災減災に6億上乗せ、通学路安全対策や調査費も

2021/08/31 日本工業経済新聞(栃木版)

 自由民主党県支部連合会(茂木敏充会長)、とちぎ自民党議員会(螺良昭人会長)は30日、9月補正予算に対する要望書を福田富一知事に提出した。要望は20重点事業、総額142億7677万円。県土整備部の公共事業費に50億5803万2000円を要望。政調上乗せは13億3000万円。砂防堰堤の堆積土を除去する緊急防災・減災対策事業6億円、県単公共事業費の通学路交通安全対策2億円、国体・障スポ関連分3億5000万円、公共事業関連調査費1億5000万円などで全額の上乗せ計上を求めた。

 砂防堰堤の堆積土除去は7月に発生した静岡県熱海市の土石流災害を踏まえた要望。県内でも同様の災害が発生する恐れがあるとし、堆砂が進んでいる堰堤を対象に緊急的に対策を行い、機能の早急な回復を求めた。

 通学路交通安全対策は千葉県八街市で児童5人が巻き込まれた交通事故を受け、即効性のある対策の実施を要望。国体・障スポ関連事業は会場へつながる道路の舗装や景観整備など本県のイメージアップに貢献する道路管理を求めた。

 県土整備部の公共事業費は道路の整備保全関係に46億5900万円、住宅関係に3億9900万円を要求。公共事業関連調査費は2019年台風19号復旧工事箇所の再調査などへの充当が想定される。

 農政部の県単公共事業費は2000万円全額を上乗せで要望。農業水利施設の長寿命化対策などの積極的な推進を求めた。

 県産米消費拡大事業費、出荷を支援する食肉流通安定化対策事業費で500万円ずつ上乗せを要望。それぞれ1500万円、1億500万円の予算化を求めた。

 重点事業ではこのほか、設備導入などを補助する地域企業感染症対策事業展開支援事業に2億円、宿泊事業者が行うワークスペース改修工事費などを補助するスマートワーケーション受け入れ環境整備助成事業に5500万円、とちぎの観光いちご園元気アップ対策事業に1800万円、野岩鉄道、真岡鐵道、わたらせ渓谷鐵道に対する地域公共交通等支援事業に6900万円。

 タブレット端末の整備を推し進める県立学校ICT環境整備事業に9億1089万円、グリーン社会の実現に向けた脱炭素化技術育成支援事業に1000万円。

 新型コロナウイルス感染症対策医療機関協力金に43億円、軽症者等療養体制確保に21億7251万円、とちぎの食文化調査研究発信に727万円などを要望した。

 政策要望事項は①県内経済の活性化②安全・安心な地域社会づくり③災害対応力の強化④保健・医療・福祉施策の充実⑤農林業の振興及び環境対策⑥教育行政⑦いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会⑧警察行政-の8項目。

 公共工事の円滑な執行、道路の整備と適切な維持管理、県有建築物の長寿命化、河川図などのデジタル化、災害に強い道路ネットワークの構築を要望。

 再生可能エネルギーの導入拡大、企業誘致の推進、県内林業・木材産業全体の木材供給の安定化を図るウッドショックへの対応、水資源地域保全条例(仮称)の制定、県立学校施設の長寿命化などを求めた。

 福田知事の回答は9月13日に示される。

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