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国土交通省北陸地方整備局(港湾空港),その他記事(民間)

4週8閉所は「足踏み」/調整会議の重要性確認/埋浚協と北陸地整が意見交換

2021/10/09 新潟建設新聞

 日本埋立浚渫協会(清水琢三会長=五洋建設社長)と北陸地方整備局との意見交換会が6日、新潟グランドホテルで開かれ、週休2日実現に向けた進捗や課題、生産性の向上、担い手確保・育成の大きく3つのテーマで意見を交わした。協会からの各要望に対し北陸地整からは、全般的に前向きな回答が行われた。特に「工事品質確保調整会議」は会員と協力業者に行ったアンケートの結果、8割以上が「有効」と回答。課題解決へ受発注者のより高い意識の共有を図る場として重要性を確認した。

 当日、協会は本部から清水会長ら20人と北陸支部から川﨑博之支部長(本間組執行役員)ら4人の計24人。北陸地整は岸弘之次長、港湾空港部の鎌田一郎部長ら9人が参加した。

 意見交換に先立ち清水会長は「今月、岸田新政権が誕生した。年内に数十兆円規模の経済対策をまとめると公約されている。コロナ対策が中心になると思うが、防災・減災、国土強靱化5か年加速化対策についても着実な推進へ、ポストコロナに向けた前向きなインフラ投資も盛り込まれると期待している。会員各社はさらに建設投資が増えたとしても施工できる体制は整えられているのでご安心いただきたい」と協会員の体制を伝えた。続いて「2024年4月から建設業でも時間外労働の上限規制が罰則付きで適用される。年々働き方改革に対する意識は着実に高まっているが、工事着手段階では全国平均で4週7・19日しか計画できておらず、結果としては4週6・5閉所と、伸びが段々鈍化してきている状況。昨年度から、工期があらかじめ決まっているものに対しては休日確保評価型試行工事(工期指定)を創設していただいた。しかし4週8閉所以上達成できているのは計画段階で74%のうち実態は49%と、半分しか計画を実行できていない状況。工事発注段階で、全ての工事で4週8休で計画していただくことが大前提ということをお願いしたい」と要望した。その上で「適正な工期設定に関するガイドライン、工事品質確保調整会議、休日確保評価型試行工事(工期指定)の3つが、われわれの働き方改革の核になり、現場レベルで共有、浸透されることが重要だ」と訴えた。

続いて岸次長は「週休2日、4週8閉所の実現は最重要課題だと思っている。当局における昨年度完成の工事では84%で4週8閉所を達成しているが、できなかった要因としては、日本海側では秋以降、海上工事ができない海象要件の特性や施工および現場条件、工程調整、資機材の調達の遅れというようなものがある。これらの要因を考えると、改善の可能性は十分にあると考えている。今まで常識だと思っていることが変わってきている意識改革を進めることが重要。引き続き皆様とともに働き方改革の推進、生産性の向上、担い手確保・育成の取り組みを進めていきたい」と課題解決へ決意を新たにした。

 意見交換会では、会員らを対象に行ったアンケートの内容が示された。それによると港湾工事等における4週8閉所以上の当初計画は昨年度76%だったが本年度は74%と2ポイント減少。実績は48%から49%増と1ポイント増加したが、「横ばい、足踏み状況が続いている」(協会)と分析している。また、工事品質確保調整会議は、8割以上が「有効に機能している」と回答。工事工程を確認・調整する場として、今後は複数回開催により4週8閉所を確保するなど、重要な場として位置付けられている。

 同協会と各地方整備局との本年度意見交換は今回がスタート。11月17日の沖縄が最終となる。

【写真=課題解決へ率直に意見を交わした、清水会長、岸次長】

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