記事

事業者
栃木県安足土木事務所

安足土木 暫定改修へ発注目指す、県道までセミバック堤

2021/10/21 日本工業経済新聞(栃木版)

 県安足土木事務所は、足利市の1級河川尾名川と出流川の対策で、セミバック堤による暫定改修を行うため今年度にも工事を発注できるよう準備を進めていく。当面は一般県道佐野太田線まで尾名川が970m、出流川は500mを実施する。すでに用地交渉を始めており、年明け1月にも築堤工事を開始できるよう調整を進めていく考え。

 両河川とも1級河川旗川の直轄河川区間に合流。令令和元年東日本台風では合流部の水門を締め切ったため、バックウォーターにより堤防を越える氾濫被害を出した。県は早期に効果が発現できるよう合流部から尾名川が県道橋の樋詰橋、出流川は出流川橋まで、東日本台風と同規模の洪水でも越水しない築堤を行う。

 暫定改修は、合流する旗川の改修が完了していないため。暫定改修に伴う詳細設計は2020年度、栃木県用地補償コンサルタント(栃木市)が担当した。

 暫定改修は尾名川を渡河する県道の樋詰橋の高さに擦り付けるため、市道橋の磯橋上下流付近をはじめ全川で2~2・5mの築堤を行う。築堤幅は15~17mで、堤内地には堤脚水路兼排水路を整備する。

 築堤後の堤防天端は舗装し、破堤しにくくするほか排水ポンプ車など緊急車両のアクセス性を向上させ、水防活動の強化を図る。また、洪水時に河川内に一定の水量を貯留できるよう、必要な用地を確保するとした。計画流量は、幹線水路を挟んで下流が毎秒115立方m、上流は80立方m。

 出流川の計画流量は170立方m。堤防を厚くし破堤しにくくするほか、標準で3・4mの築堤を行う。堤防幅は19mで、天端は舗装し粘り強い堤防整備を行うととともに、緊急車両などの通行を円滑化する。また、堤内地には堤脚水路兼用排水路を確保する。

 全体計画では両河川とも合流地点からJR両毛線までを位置づけており、尾名川が2650m、出流川は1990m。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら