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国土交通省宇都宮国道事務所

宇都宮国道、トンネルで技術検討会、121号川治4号橋、300mの鋼4径間トラス

2021/10/26 日本工業経済新聞(栃木版)

 国土交通省宇都宮国道事務所は、日光市の国道121号川治防災で整備する橋長300mの4号橋(仮称)の形式を鋼4径間連続トラス桁、下部を深礎杭ラーメン式橋台とし、関東地方整備局と橋梁形式協議を始めた。県の予備設計を踏まえ、形式を確定し今年度にも詳細設計に移行する見通し。また、2号トンネルは予備設計を実施中で、延長が約3㎞。坑口の位置等を検討し、今年度にもトンネルの設計・施工の専門家を委員に技術検討会を設置する予定。

 川治防災は狭あいな上に連続雨量で通行止めとなる川治温泉街を回避するため、現道西側の山岳部に現道拡幅区間を含む7・4㎞のバイパスを整備する。概算事業費は500億円。

 バイパスは、自然災害が発生した場合の代替路の確保や走行性の改善が目的。平成27年関東東北豪雨では川治温泉街の121号が通行できなくなり、一時孤立を余儀なくされた。

 7・4㎞のうち北側の長大橋と長大トンネルが連続する施工難度の高い3・4㎞区間を、直轄権限代行事業として宇都宮国道事務所が受託した。

 4号橋は県が大日本コンサルタントに委託し、予備設計をまとめた。架設予定位置は日光国立公園内になり、上部に鋼トラス桁、下部はラーメン式橋台を採用することで深い峡谷を形成する鬼怒川との景観にも配慮した。

 幅員は8mで、下部工は橋台2基と深礎杭張出式橋脚3基で構成する。関東地方整備局との調整を踏まえて実施する橋梁詳細設計は、三井共同建設コンサルタントが担当する。

 長大トンネルを掘削する北側3・4㎞区間は、野岩鉄道、五十里と川治ダムの水を融通する導水トンネル、主要地方道川俣温泉川治線トンネルが地下で近接・交差する。

 トンネルは予備設計を進めており、設計に必要な現地の地質構造や設計計算に使用する土質定数などの取得のため、並行して地質調査を行っている。

 地質調査は五十里と川治地区に2分割して地下水や湧水などへの影響を把握するため、分布状況などの水文調査も併せて実施。トンネルの予備設計は八千代エンジニヤリング、2カ所の地質調査は川崎地質が担当。

 トンネルの技術検討会は施工難度の高い工事となるため、予備設計段階から有識者の意見を反映させるために設置。宇都宮国道事務所では、事業化に先立ち県が設置していた防災検討会のメンバーも考慮し、選定を急ぎたいとした。

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