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県市町村課、推進プラン22年度策定、3ブロックで水道広域化検討

2021/11/09 栃木建設新聞

 県は、水道広域化推進プランを2022年度にも策定する。今年度は広域化による将来見通しのシミュレーションと効果を検証する予定.県市町村課によると、広域化の枠組みとなる県北・県央・県南の3ブロック単位で分科会を実施、22年度の推進方針に言及していく見通しを示した。

 国は推進プランに基づき実施する広域化施設整備やシステム構築経費について財政措置を講じるとしており、高度経済成長期の60年代に一気に整備された水道施設は近い将来大幅な更新が必要とされており、プランの策定により広域化の事業手法が県内で進みそうだ。

 推進プランは市町の区域を越えた水道事業の多様な広域化を推進するため、広域化の推進方針や方針に基づく当面の具体的取り組みの内容を定める。水道基盤強化計画の策定を見据え、多様な広域化のシミュレーションを実施。その具体的な効果を比較したうえで、広域化の推進方針やこれに基づく当面の具体的取り組みの内容やスケジュールなどを記載する。

 最終的には水道基盤強化計画への引き継ぎを想定したもの。都道府県が策定し実施団体の市町財政課が取りまとめを行い、水道行政担当課や企業局が参加するなど関係部局が連携し一元的な体制を構築する。

 本県では、17年2月に市町村等水道事業広域連携等検討会を組織。年3回程度の会議や意見交換などを通じて推進プランの策定を進めている。今年度には県内自治体をブロックに分け分科会を実施。

 県北では県水を利用している大田原市と那須塩原市が同じ広域圏の那須町を交え、20年2月に北那須3市町広域連携推進検討部会を設置した。3市町合同による講習会実施など実現可能な取り組みから広域連携を図り、県水道広域化推進プランへの働きかけを行うとした。

 推進プランは公表を前提に策定後も取り組みの進捗状況に合わせ、適宜改定する。策定状況については毎年度調整し、公表するとしている。

 県は国の方針に倣い15年3月、県内水道の問題や課題を把握し、中長期的な視点から水道事業者などの目指すべき方向性と実現方策などを示し、将来の指針となる県水道ビジョンをまとめた。背景には人口減に伴う水需要としての水道料金収入の減少に加え、水道施設の老朽化に伴う更新需要の増大化が挙げられる。

 水道広域化のイメージとして国が示した水道ビジョンによると、広域化を4段階に分け第1段階として施設の共同化(浄水場・水質試験センター・緊急時連絡管など)を挙げ、第2段階の管理の一体化と合わせ業務の共同化と位置付けた。

 共同化をさらに進めていくと同一の経営主体が複数の水道事業を経営する経営の一体化へ発展し、最終的なイメージとして事業統合を挙げている。

 今回策定する推進プランには、県水道ビジョンや区域内の水道事業者が策定した経営戦略の記載内容を活用することが可能。推進プラン策定後は水道の基盤強化を図る観点から、県とともに各事業者が推進プランを踏まえた広域化に取り組むことが重要としている。プランは20~22年度の3カ年継続で策定し、日水コンが担当している。

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