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栃木県鹿沼土木事務所

鹿沼土木、293号仁神堂工区、武子川両岸に調整池、新仁神堂橋架設し750m改善

2021/11/09 日本工業経済新聞(栃木版)

 県鹿沼土木事務所は鹿沼市の国道293号仁神堂工区750mの整備で、雨水を処理する調整池を2基新設する。調整池は1級河川武子川を渡河する新仁神堂橋下流側の両岸に設置し、容量は左岸860立方m、右岸3300立方mを試算。武子川は未改修となっており、河川への流出を抑制し道路に降った雨水を一時貯留することが目的。法線の改良に伴い架け替える新橋は、橋長36m(支間長35m)で70度の斜橋。上部形式はポストテンション方式PC単純床版桁で、下部工は直接基礎逆T式橋台2基で構成する。橋梁と調整池設計は、ピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が担当した。

 事業は一般県道鹿沼環状線との仁神堂交差点から鹿沼市街地方面へ750mの法線を、現道北側の都市計画道路3・4・204号水神通りの都市計画決定路線に沿って幅員16mで整備する。事業区間で武子川を渡河する仁神堂橋は、国道がカーブする狭あい箇所に加え、武子川の河積阻害となっており、現道上流側に架け替える。

 武子川は未改修で、橋梁詳細設計では将来の改修断面で諸元をまとめた。現橋は新橋の影響範囲には入らず、架設後は解体撤去する計画。

 現在の仁神堂橋は、豪雨時に溢水による路面冠水が生じ、通行止めとなるなど防災面でも課題が多い。東日本台風でも路面冠水による通行止めの措置が取られた。仁神堂橋付近の道路縦断を嵩上げすることで冠水が防止され、災害時の救援活動や物資輸送の緊急輸送道路として機能が強化されるとしている。

 16mの幅員構成は、車道6・5m(3・25m×2)の両側に自転車専用通行帯1・5mを配置し、歩道は両側に3・25m確保する。付加車線は起点部の鹿沼環状線と仁神堂橋の南西側で分岐する市道1073号の交差点2カ所を計画した。

 事業区間には近隣に仁神堂幼稚園、菊沢東小学校、鹿沼東高校が立地.通学路の安全対策箇所に加え、未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検箇所となっており、早急な対策が必要と判断。

 特に現道は自転車・歩行者の通行が多いものの歩道の幅員が1・5m程度と狭小なうえ、自転車通行空間も確保されていないことから安全な通行に支障を来しているとした。

 事業は現道拡幅とバイパス整備を行い、歩道と自転車通行帯を分離して整備することにより児童・生徒をはじめ地元住民らの安全な通行が確保されるとした。今年度は道路法線をはじめ、橋梁や調整池など構造物の諸元を確定。影響範囲が固まったため、用地交渉を進め、22年度以降の工事着手に備えていく見通し。全体事業費には15億円を見込んだ。

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