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栃木県栃木土木事務所

栃木土木、今泉町工区 22年度は構造物設計、都計変更し道路詳細設計、3.7㎞にJR橋と函渠4基

2021/12/07 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は、栃木市今泉町の一般県道栃木環状線と主要地方道栃木小山線のバイパス(都市計画道路3・3・3号小山栃木都賀線)3700mの整備で、栃木小山線現道(3・4・202号樋ノ口河合線)の立体交差を平面交差に変更する都市計画変更を見据え道路詳細設計を発注する。バイパスはJR両毛線橋梁161mと普通河川豊穂川など4カ所を渡河する函渠工を計画。県栃木土木事務所によると、詳細設計では排水系統の調査とともに雨水を防除する調整池の必要性なども検討するとした。事業着手の22年度は、構造物詳細設計や用地調査を進める。

 今泉町工区のルートは、3・3・3号小山栃木都賀線の一部を構成し、北を街路の大宮町工区、南は卒島Ⅱ工区の間に位置する。3700mの内訳は、栃木環状線2460m、小山栃木線1240m。

 標準幅員は31mで、車道3・25m×4、中央帯2m、路肩1・5m×2、施設帯1m×2、副道が5・5m×2で構成。構造物のうち普通河川を渡河する4カ所は、農業用排水路として利用されており、道路整備に伴う影響範囲にあるため池や堰などの対応を詳細設計で検討する。路線測量はオリエンタル技術開発(栃木市)が担当した。

 現道との平面交差区間は250m。平面交差への変更とともに、一部区間を歩道形式から副道形式、付加車線設置と滞留区間確保に変更する。現道には右折レーンを設置し交通流の円滑化を図るほか、本線と副道を分離し農耕車通行の利便性を向上させる。22年2月頃に県都市計画審議会に諮問する予定。

 整備スケジュールは、22年度にも道路詳細設計を踏まえ構造物詳細設計や用地買収を見据え用地調査を実施。工事実施は24年度から31年度まで7年間を試算した。総事業費は60億円で、内訳が測量設計費1億円、用地補償費25億円、工事費34億円。

 今泉町工区は、「とちぎの道路・交通ビジョン2021」で一般広域道路「栃木西部都市連絡幹線」として位置づけられた重要な路線。小山市中心市街地から栃木市東部を経由し、北関東自動車道都賀ICに至る、都市間連携強化に資する道路。事業着手により小山・栃木間の連携強化と都賀ICへのアクセス向上を図る。

 栃木市の市街地では、東側の道路ネットワークが脆弱なため、中心市街地に通過交通が流入。大町交差点や万町交番前交差点では、朝夕を中心に慢性的な渋滞が発生するなど、課題が多い。事業化は中心市街地に流入する交通を分散し、渋滞を緩和する。

 事業化に当たっては、主要構造物に新工法を採用するなどコスト縮減を図るほか、再生材の利用や建設発生土の公共工事間の流用に努める。副道は既設の市道を活用し、コスト縮減を図るとした。

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