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群馬県下水環境課

県下水環境課 県汚水処理計画の素案を明らかに

2022/12/14 群馬建設新聞

県下水環境課は県汚水処理計画の素案を明らかにした。下水道等と合併処理浄化槽のベストミックスのさらなる推進や汚水処理の広域化・共同化としてハードメニュー38件、ソフトメニュー66件の合計104件の施策について取り組みを進める。実施期間を2023年度から32年度までの10年間とし、汚水処理人口普及率の目標値として32年度までに92%としている。なお、計画における汚水処理施設の整備促進に係る投資事業費は年間で約80億円を想定する。

計画では下水道をはじめ、農業集落排水、合併浄化槽などの汚水処理施設を効率的に配置し整備するため、目標とする汚水処理人口普及率や整備面積などを記載している。17年度の計画変更から5年が経過するにあたり、より最適な配置計画を策定するとともに、新たに汚水処理施設の広域化・共同化を計画の一部として位置付けるため、見直しを行うもの。

下水道等と浄化槽のベストミックスや広域化・共同化などにより、集合処理の処理区数を5カ所減少、約8200haが合併処理浄化槽区域へ変更する予定。

このうち、広域化・共同化として県央ブロックでは、汚水処理施設の統廃合を計画している。23年度から統合に向けた調整や協議などを行う対象として◇上野田(吉岡町、県央処理区)◇北下・南下(同)◇小倉(同)◇岡本(富岡市、甘楽町、県央処理区)◇善慶寺・国峰(同)◇小屋原(前橋市、県央処理区)――の地区にある農業集落排水施設と前橋市の城南住宅コミュニティプラント、し尿処理施設および浄化槽汚泥処理施設を掲げている。このほか、高崎市および県央処理区の楽間・行力地区、富岡地区、蟹沢地区の農業集落排水施設についても統廃合に向けた可能性を検討する。

吾妻ブロックは中之条町で大塚・平地区農業集落排水施設を中之条浄化センターへ統合。27年度以降に可能性を検討し、その後調整などを進める。

北毛ブロックでは沼田市奥利根処理区の白沢水質浄化センターと利根水質浄化センターのほか、◇平出地区◇尾合地区◇輪組地区◇輪久原地区◇中倉地区◇多那・二本松◇上久屋地区◇秋塚地区◇奈良地区――の農業集落排水施設で利根川上流流域下水道(奥利根処理区)への共同処理を見込む。可能性などの検討は27年度以降に行い、統合が有利と判断した場合は調整などを行う。

東毛ブロックでは、汚水処理施設の統廃合を目指すため23年度から調整などを見込む施設として◇いずみ地区コミュニティプラント(太田市、新田処理区)◇宝泉地区コミュニティプラント(同)◇伊勢崎市箕郷地区農業集落排水処理施設(伊勢崎市)◇十三塚地区農業集落排水処理施設(桐生市、桐生処理区)◇分福地区コミュニティプラント(館林市)――を挙げている。また、◇あずま向原(伊勢崎市、佐波処理区)◇あずま国定(同)◇赤堀香林(同)◇赤堀曲沢◇赤堀間野谷(同)◇木戸(館林市)◇下早川(同)――の地区にある農業集落排水施設や館林市の特定公共下水道近藤処理区、大島地区コミュニティプラントでも統合に向けた検討を進める。

このほか計画では、汚水処理人口普及率を基準年となる19年度の81・8%から32年度までに92%へと向上させることを目標としている。浄化槽処理促進区域の面積を約53万4300 haにすることを記載する。

計画に基づき施設整備が進捗した場合、河川などへ排出する家庭からの汚水量は28年ごろには昭和初期と同程度の水準になることを見込んでいる。

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