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群馬県砂防課

佐々木砂防課長インタビュー

2024/04/23 群馬建設新聞

「令和元年東日本台風の際には、本県においても土砂災害により、かけがえのない県民の命や財産が失われた。頻発化・激甚化する土砂災害の脅威から県民の命や財産を守るのが砂防課の使命」と考えを話すと「重責に身が引き締まる思いだが、チームワークを大切にし、ハードとソフトが一体となった防災・減災対策に課員一丸となって取り組みたい」と抱負を語った。

群馬県は土砂災害警戒区域が約9100カ所と非常に多いことから「ハード対策にあたっては、高齢者施設や病院などの要配慮者利用施設や避難所の保全を優先するなど、効率的かつ効果的に推進する必要がある」と分析。一方でソフト対策については「土砂災害による『逃げ遅れゼロ』に向けて、住民主体による自主避難計画の策定支援など、さまざまな施策に市町村とも連携して取り組む必要があると考えている」と述べた。さらに、全国で土砂・洪水氾濫による被害が発生している状況を踏まえ「流域治水の取り組みの一つとして、その対策を検討することも、新たな課題と認識している」と話した。本年度は「災害レジリエンス№1の実現に向けて、ハード対策として土石流対策、がけ崩れ対策、地すべり対策などを引き続き推進するとともに、ソフト対策として、土砂災害警戒区域の3巡目基礎調査や住民主体の自主避難計画策定支援、要配慮者利用施設の避難訓練支援などに取り組む」と力強く語る。

思い出深い事業には「四万川ダム」「高崎渋川線バイパス」「西毛広域幹線道路安中工区」の3つを挙げた。「どれも業者の方や上司、同僚などと力を合わせ、夢中で仕事に打ち込んだ楽しい思い出の現場であり、私の宝物」と振り返った。

若手職員には「『人との出会い』と『仕事との出会い』を大切にしてほしい」とアドバイス。また、「チャレンジ精神を持って前向きに一つ一つの仕事と向き合ってほしい」とエールを贈った。

建設業界に対しては「県民が社会生活を送る上で欠かせない存在」と、重要性を語ると「今後も、社会資本の整備や維持管理、危機管理対応などのさまざまな場面で、力を合わせて県民を支えていきたいので、お力添えをお願いしたい」と協力を求めた。

休日は、好きな音楽を聴きながらの散歩を楽しんでいるとか。また、家族旅行も楽しみの一つで、最近では陸前高田市や南三陸町の震災遺構を巡ったという。

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