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群馬県館林農村整備センター

県館林農村整備センターの渡邉氏インタビュー

2024/05/08 群馬建設新聞


県館林農村整備センターの勤務は、10年ぶりで4回目となった。初任地もこの地であり、とても思い入れのある地域である。「邑楽館林地域は一級河川利根川と渡良瀬川に挟まれた肥沃な大地に恵まれた、県内有数の水田地域で、収益性の高い野菜などの農産物の生産が盛んな地域でもある。一方、大河川に挟まれた低地地域であるが故に、常に排水対策を考えていかなくてはならない地域でもある」と地域の印象を語る。

本年度は水田の農地整備を着実に進め、農業経営の安定化、さらなる効率化を目指していく。併せて水田を畑地化することにより、高収益作物の転換を進め、持続性のある地域農業を構築し、基幹農業水利施設の長寿命化対策を進めることで、農業用水の安定供給を維持していきたいという。

これまで携わった思い出深い事業には、本地域の軟弱地盤での水路工事の現場が印象に残っている。道路横断工に15mのPHC杭(8m+7mの継ぎ杭)を打ち込む工事において「ハンマーで杭を1回叩いたら、杭がスルスルと地中まで入って見えなくなった時に、体が熱くなったことを覚えている」と振り返る。「掘削して杭の頭が見えた時はホッとした。逆に設計の深さまで打ち込めなかった現場もあり、その場で支持力が出ているか計算し対処したこともあった」と話す。「最近は打込み杭工法を採用する現場はあまりないが、この経験が、土中の状態確認の重要性と難しさを教えてくれた」と思い出深そうに語る。

若手職員には「自分なりの考えを大事にして物事にあたって欲しい。組織人であるため、自分の考えが通らないことも多々あると思うが、どのようにすれば自分の考えに近づけられるか常に考えチャレンジして欲しい」と呼び掛ける。

建設業界には「近年、毎年のように県内において特定家畜伝染病が発生し、その都度、群馬県建設業協会と群馬県農村整備建設協会会員の皆さまに、多大なご協力いただき家畜防疫処置が行われている。特定家畜伝染病は時場所を選ばず、このような過酷な条件の中で、迅速にご対応いただいている建設会社の方々に頭が下がる思い」と語る。

趣味は桜、藤、新緑、紅葉といったその季節にしか楽しむことのできない自然鑑賞や、果物やご当地グルメの食べ歩きなど、妻と一緒に出掛けることが多い。帰りに寄る温泉も楽しみのひとつ。「なるべく県内を第一にと思っているが、栃木や茨城まで足を延ばすこともあるとこれからの季節を楽しみにしている」と笑う。

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