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(独)鉄道建設運輸施設整備支援機構

【北海道新幹線】30年度末開業「極めて困難」/鉄道運輸機構が国交大臣へ報告

2024/05/08 本社配信

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構の藤田耕三理事長は8日、国土交通省を訪れ斉藤鉄夫大臣へ2030年度末とする北海道新幹線新函館北斗・札幌間の完成・開業目標について「極めて困難である」と建設主体として報告した。新たな時期については、有識者の意見を聞くなどして国交省が検討を進める。

 報告を受けて斉藤大臣は藤田理事長へ主に3点指示している。1つは、報告を受けて国交省で有識者の知見を得ながら、改めて全体工程を精査し、開業目標時期を含めた今後の見通しを検討するので機構もその作業にしっかり対応すること。2つ目は開業を待ち望んでいる地元の大きな期待を踏まえ、1日も早い完成・開業を目指す。3つ目は関係者への丁寧な説明を行うというもの。

 北海道新幹線新函館北斗~札幌間は、12年6月に着工、15年1月の政府与党申し合わせで30年度末の完成・開業を目指すとされ、目標に工事を進めてきた。区間は全長約212kmで、うち8割がトンネル。今回の判断は、掘削で発生する建設発生土の受入地確保に難航、工事の着手が遅れた工区があることや、予期せぬ大きさの岩塊があるなど掘削に難航している工区があることなどが影響している。

 藤田理事長は開業時期などについて、トンネル等の土木工事後となる、軌道、電気等の工事見通しも見極める必要があるため「現時点で具体的に次の完成時期目標を示すことは技術的に困難。あえて言えば数年単位の遅れ」との認識を示している。

斉藤大臣(左)に報告する藤田理事長 北海道新幹線トンネル工事進捗状況

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