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群馬県利根沼田農業事務所農村整備課

県利根沼田農業事務所、齊藤氏インタビュー

2024/05/09 群馬建設新聞

「利根沼田は新規採用で着任し思い入れが強い地域。特色を生かした農業の持続的発展のために力になりたい」と意気込む。採用時、東京生活から群馬に戻り、目にした昭和村の広大な畑作に新鮮な感慨を覚えたと言う。「管内は赤城山麓の大規模畑作経営、観光果樹園、食味のよいブランド米の産地など、中山間地域の特色を生かした多彩な農業経営が展開されている」とする一方、「人工減少や高齢化は本地域でも深刻な問題であり、遊休農地の増加が懸念される」と課題も明確化する。

「小さい課なので意見を出し合い結集して問題解決や各事業を推し進めていきたい」と語り、若手職員に対して「自分の考えを持って、何にでも挑戦して見聞を広めてほしい。いろいろなことを経験することで知識が広まり、人とのつながりも増える。自身の考えに自信を持つことは大切ではあるが、違った意見も聞いて考えることも大事」と力を込める。

2024年度主要事業では、遊休農地の解消を図り担い手農家に農地集積を進める牛の平地区の基盤整備事業と、赤城北ろくの3地区で行う石綿管の布設替え事業を実施し、25年度での東中野・二本松地区の事業化を目指している。「農業の持続的継続と担い手農家の発展のためにも、老朽化した農業水利施設の保全対策を進める必要がある」と話す。

思い出深い事業として赤城西麓の土地改良を挙げた。同管内の昭和村と旧利根村の事業を担当し、「地元役員や農家と協議しながらの事業で苦労もあったがとてもやりがいがあった。今、現地を通ると造成した施設や農地が有効に使われていて農業形態も変化している。この事業に携われてよかったと感じる」と感慨深げに語る。

建設業界へは「豚熱と鳥インフルに係わる埋却作業には、緊急の対応となるが協力いただき大変感謝している。通常の公共事業のほかにも、埋却作業や災害など、地域に頼られる業界。農村整備には建設業界の協力が必要なので、地域の発展のためにも一緒に頑張っていきたい」と熱く語る。

休日というと、生家の中之条で米づくり。毎年食味スコアを気にしながら田んぼの作業にいそしむ。農作業の経験から、使いやすい農村整備を心がけている。

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