国土交通省はAIの急速な進展を踏まえ、3月に策定した第6期国土交通省技術基本計画のフォローアップを行う。AIを活用したイノベーション・エコシステムの好循環・加速化に向けて▽研究開発▽社会実装▽人材育成―の3つの視点から、技術分野で優先的に取り組む施策や、取り組みを進める上での留意点などを点検・整理する。5日に開いた社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会で議論を開始した。
第6期技術基本計画では、イノベーション・エコシステムの好循環を確立し、研究開発の強化、社会実装の加速化、技術政策を支える人材育成を一体的に進める方針を示している。計画策定後もAI活用が急速に進展しているほか、国交省が9月に「インフラ分野のAI実装に向けた取組方針」を策定したことから、こうした状況を踏まえて今後の取り組みを見直す。
研究開発では、インフラ分野固有の条件に対応するため、現場データを学習した「バーチカルAI」や、現実空間で動作する「フィジカルAI」の活用を推進する。多様な主体が参画する連携体制の構築や、データの標準化・蓄積、現場や熟練者が持つ暗黙知のデータ化なども論点とする。
社会実装では、人とAIが協働する「ヒューマン・イン・ザ・ループ」の考え方を踏まえ、人の役割を再定義した上で業務プロセス全体を見直す。AI活用を前提とした制度・ルールや安全性を評価する基準の整備、AI学習に利用するデータの範囲やルールの明確化などを検討する。
人材育成では、AI分野との人材交流を通じ、技術実装をけん引する高度専門人材や、AIと国土交通分野をつなぐ橋渡し人材を育成する。職員一人一人のAIリテラシー向上や、試行錯誤しながらAIを活用できる組織環境づくりも進める。
他分野における先進事例として金融データ活用推進協会(FDUA)、日本医療研究開発機構(AMED)、AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の3団体からヒアリングも実施された。次回の技術部会では今回の議論を踏まえ今後の方向性を整理する。
会合ではほかに、今後のインフラのマネジメントのあり方について中間答申案の報告があり、審議・承認された。

















